昨年はやらなかったのですが私も他サイト様の年間ベスト大好きなので今年は自分なりのを。
私は何食べても美味しかったな〜と思うし、何聴いても割と良いな〜と思う適当人間なので消費した作品に優劣を付けるのが苦手。このブログでも点数などのはっきりとした絶対的な評価はつけておりません。付けてないというか付けられないというのが正しいところ。
特に音楽というのは買って聴いてその場の判断というのは間違っている事は絶対無いはずですが、時を経ると感想が変わってくるものもあると思います。そういった意味ではある程度時間をおいてから再評価して見る、というのは正しい批評なのかもしれないです。まあ私はこのブログでは批評を書いている訳ではなくて、ただ感想を書いているだけという認識ですが〜。んまあそんなこんなで同じ良かった!でもそれから気づくと沢山聴いている、という作品がベストに入る、って感じで選んでます。
まずは2014年に発売された音源からセレクト。
1位:Cult Leader/Nothing for Us Here
Gazaの残党による狂犬病スラッジ。デビュー作。Gaza大好きだったもんで期待大でしたがそれを遥かに上回って来た出来。兎に角1曲目から2曲目の繋がりが凄まじくセットで今年一番聴きました。来年はフルでるかな?とさらに期待大。
以下は順不同で4つ。
Ben Frost/A U R O R A
Vampillia繋がりで聴いてみたが美しいノイズって本当にあるのだな〜と実感。寒々しいブリザードの向こうに垣間見えると思った旋律が、実はブリザードそのものが生み出していたみたいな、ノイズ+耽美さではなくて耽美なノイズを見事に作り出してしまった快作。一個前のアルバムも良かったけどやっぱりこっちのが好きでした。
Dead Fader/Scorched
ひそかに好きなテクノアーティストの新アルバム。タイトル通り焼け野原の様なノイズ、さらにぶっといビートという下品さ。前作に比べると音の数が減って一音一音がさらに凶悪になった印象。インダストリアルな硬質さと反復性に蠢く悪夢感が同居した気持ちよいアルバム。
Swarrrm/FLOWER
ついに発売された国産カオティックグラインダーの新作。混沌とした暴力性の中に叙情性をメロディとアコースティック感のある演奏で両立した新境地。喜怒哀楽の怒一本から隠し様の無い空虚感(喜怒哀楽で言えば哀でしょうか)に広がりを見いだした印象。悲しいのに楽しいというスゲエアルバム。
Indian/From All Purity
先鋭的な音楽が叙情性を取り入れて新境地を見いだしたのがSwarrrmなら、持ち前の残虐性をさらに研ぎすましたのがこちらのバンドの新作。嫌悪感ギリギリのヘイト感が満ち満ちてヤバい。憎しみオンリーの排他性がスラッジの叩き付ける様なリフににじみだす様でしゃがれたボーカルが鬼気迫る。チリチリくるノイズとの相性も抜群でコールタールのように真っ黒で粘ついている。不快感マックスでベスト。
上記以外で2014年良く聴いた曲
・Sargeist「In Charnel Darkness」
ざらついた演奏にイーヴィルなボーカルが乗る。速度も音質も劇的ではないのにこの迫力。暗いメロディの美しさ。ブラックメタルの結晶みたいな曲。
・Vampillia「Dizziness Of The Sun」
アルバムはベスト入れか迷った。
彼らはこういう曲出してくるから困る。後半の盛り上がりがもう、もう。
・Killer be Killed「Wings Of Feather And Wax」
ドリームチームのさわやかメタル。あんまりこういう曲を持っていないからか良く聴いた。
・Nothing「Guilty of Everything」
こちらもアルバムはベスト入りか迷った。「Dig」もよいけど最近はこちらばっかり。
・Cloud Nothings「I'm Not Part of Me」
生き急いでいる感ありありの前のめりバンド。焦燥感というよりはこうしちゃいられない!みたいな前向きな性急さ。
・Schoolboy Q「Break The Bank」
メロウなヒップホップトラック。
やんちゃなラップだけど音的にも広がりがあって妙に空虚な感じ。
私の勝手なイメージでは雨の日車で流れる夜景をみているような、そんな流れている感がある超良い曲。
旧譜でよかったもの
Morgue Side Cinema/Napalm Life
大阪のロックバンドのアルバム。兎に角すごい聴いていた。
アウシュビッツというバンドの亡くなったメンバーのことを歌ったラストの「翌朝」が良すぎる。感情的にならずに淡々としているのだけど、ぶっきらぼうなその背後に見える感情の動きが涙を誘う。勿論他の曲も良い。
チラホラライブしているらしいし、新しい音源でないものか。
あんまり無いかもですけど見つけたら絶対に買った方がよいですよ。
Kendrick Lamar/good kid, m.A.A.d city
何を今更、といわれそうですが遅ればせながら聴いたらとても良かった。
多彩なスキルの背後に見える真摯さがヒップホップを聴かない私にもずばーんと刺さった1作。
Rocket from the Crypt/Group Sounds
ホーンが入ったパンク。軽薄というよりは渋い魅力がきらりと光る楽曲。
とはいえ枯れているとはほど遠い楽しさがある。楽しい気分になりたい時に良く聴きました。
Left for Dead/Devoid of Everything
既に解散済みのパワーバイオレンスバンドのディスコグラフィー盤。
パンク特有の荒々しさがカオティックというよりは混沌一歩手前でバンドサウンドとして成り立っている様な危うさ。くそかっこいい。
なかなか時間か借りますね。まとめるの。
それでは皆さんよいお年を。