2010年に日本のFabtone Recordsからリリースされた。
Mineralは1994年に結成され1998年に解散。4年という短い活動期間で発表された二つのアルバム「The Power of Falling」「EndSerenading」にボーナストラックをつけて、さらにリマスターしたのがこのコンピレーション。
まだエモと言うジャンルが確立しない(エモと言うジャンルは2000年代に花開いたらしい)創世記に活動していたバンドでThe Getup KidsやJimmy Eat Worldといったバンドに比べると知名度はイマイチだが、音源がオークションで高値で取引される知る人ぞ知るバンドだったそうな。(ここら辺CD内の寿福さんのライナーノーツから引っ張って来ています。)
私は流行に乗っかるニューメタル人間だったので、一時期パンクとかエモを音が軽いメロすぎるとかいって(死にたい過去)軽視していた人間なので勿論このバンドどころが前述の2つのバンドもまともに聴いた事が無いんだが、どうもこのMineralというバンドが最近再結成し、さらに日本ツアーもするそうな。さらに既にソールドアウトしている公演もあるらしい。(ここによると東京公演もチケットまだあるみたい。12月29日時点。)とtwitterなんかでチラホラ話題になっており、ごくごく軽い気持ちで視聴して、あら良いじゃないと買ったという寸法ですわ。
さて音の方はというとエモです。エモい。
エモというとあのアシンメトリーな髪型にほんのりお化粧を施した(必ずしもそうではないが)線の細い男性像がパッと思い浮かぶ人もいるだろうが(私です。エモ好きな人本当申し訳ない。)、それはエモファッションの一部らしいです。
ここでいうエモいというのは(あくまでも私の中の見解ですよ。)、比較的五月蝿い演奏陣に、感傷的だがどちらかというと内省的なメロディが乗る。ひたすら暗いというよりは何かしら心の琴線(あるいは涙腺)に訴えかけてくる様なもので力一杯という感じの勢い重視の感情的なもの。ボーカルは叫ぶ事もあるが、例えば(ここから発祥した)スクリーモのようにある意味洗練されたものではなくて、本当に感情高ぶって本当叫ばずにはいられなかった、というようなもの。ここが変にあざとくなくて大変良かった。(スクリーモが嫌いな訳ではないです。)
なんといっても個人的に良かったのが演奏陣で、曲の中心は歌に据えられているといっても良いのだが、歌に負けないくらい演奏が良い。特にギターがよい。ポストハードコアだから弾きまくる分けなんだが、トレモロかって言うくらい弾くんだが、例えばシューゲイザーのようなデリケートさ、またはブラックメタルのような寒々しさとは一線を画すもっとギターとアンプといくつかのエフェクター、といった荒々しくも飾りっけの無い”ノイジーさ”が非常によかった。音の洪水感が半端無い。粒の粗さが分かる様なザラ感もよい。
ある意味ボーカルがすごい饒舌な音楽性だが、ギターだって負けてられないぜ、とばかりに主張してくるこの贅沢な感じは最早卑怯と言っても過言ではない。
泣かせるメロディもそんな自然な演奏陣、自然な歌唱法から由来するもので聞き手の耳にもすっと入ってくるナチュラルさ。変に変化球ではないのはやはりハードコアを土台に持っているからだろうか。また緩急もあざといぜってくらいでアルペジオから泣きの疾走ギターになる訳だけどあくまでも自然なつなぎが1曲にまとめられている感じで、そこらへんも凝ったメタルとかハードコアとはちょっと違う感じ。
劇的なんだが飾らないメロディ、そしてノイジーな演奏、という感じでしょうか。
やや落ち着いて幅が広がった2枚目もいいんだけど、個人的には粗さもあるけどより感情むきだしの1枚目の方が気に入りました。
激情系好きな人はばっちりハマると思います。ブラックメタル好きな人で、気づくとあまり前向きな音楽もっていないぜ…って人は聴いてみてください。
ボーナストラックも格好いいのでアルバム2枚買うよりは良いのでは、と。軽い気持ちで買ったんですが、すごく良かった。オススメです。
↓この曲聴いて買おう!と決心。
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