2013年発表の4thアルバム。一風変わったメタルバンドの名門Profound Loreより。
変態と言い切るのは他のメタルバンドとは一線を画しており、それは音楽性ももちろんそうだが、見た目もこんなの。
ボーカルのThe Curatorはとにかく奇抜な恰好で、でかい魔術師が被るような帽子を被ったり、レトロなラジオ(のようなもの)を被ったり、聖職者のような恰好したり。
ほかのメンバーは基本真っ黒なスーツに、昔の処刑人が被るような黒マスクをかぶり、時には首吊り用の結んだロープを首にかけてたりする。
wikiをみると1920年代のファッションを参考にしているらしい。
コンセプトにかなりこだわりがあって、バンドの世界観を音楽だけでなく見た目も含めて演出しているようです。
さて奇抜な見た目で目を引くバンドであることは間違いないけれど、その音楽性もかなりアグレッシブだ。
なんといってもギターリフが奇妙。ここひとつ「名状しがたい」と形容したい。曲自体の速さは中速メインだが、リフが速い、かなり密度が濃くて、何をやっているのかもわからないほど。変幻自在で、次の一手の予想がつかなく、不気味な触手がうごめいているようだ。
ライブの動画見るととにかく運指が凄まじい。激テクニカル。私は楽器は弾けないので、よくわからないのだが、よくあんなに複雑なリフを、バンドアンサンブルの中で破たんせずに、弾けるものだと思う。
正攻法にいかつい、というのではない。何やら邪教の儀式めいたおどろおどろしさ、不穏さが充満している。まるで黒い霧のようなそれを裂いて、これまた真っ黒なボーカルが乗ってくる。基本的にどすの利いた、かつシャープでないデス声で、恐らくエフェクトをかけているのか、妙にこもって聴こえる。衣装を見ればわかるがThe Curatorは司祭であり、アジテーターだ。名状しがたい演奏を伴って聴き手を恐怖と狂気の世界に誘い込む。そこではおよそこの世のものとも思えない、奇妙な角度によって形作られた巨大な石造りの神殿がぽっかりと口をあけ、その深奥では生きながらに死んでいる巨大な神が復活の時を夢を見つつ待っているのだ。
さて、このバンドもう一つ大きな特徴があって、わかる人にはわかるかもしれないが、H.P.Lovecraftによるクトゥルー神話体系に大きな影響を受けていて、音楽性(歌詞もそうらしい) 、見た目のコンセプト、アートワークなどのコンセプトにかなり大胆に引用されている。The Curatorの衣装の指が蛸や烏賊を思わせる吸盤のついた触手だったりして、クトゥルー好きとしてはうれしい限り。
個人的には前作よりも気に入りました。
変わったメタルが好きな人、クトゥルー大好きなあなたにおすすめたる。
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