2016年にYouth Attack Recordsからリリースされた。
The Reposはかの有名なアメリカのパワーバイオレンスバンドCharles Bronsonの元メンバーがやっているバンドで、恐らく2004年に結成された。あんまり情報の少ないバンドみたいで多分ニューヨークを拠点にしているのではと思うのだが。(BandcampのタグにNewYorkがある、んだけどレーベルの拠点なのかも…)。このアルバムも3rdアルバムっぽいが詳しい事は分からない。FBもオフィシャルページもあるにはあるが熱心には更新していないみたいで、少なくともネットじゃなくてリアルの私たちを聴いて、見てどーぞというアティチュードのようだ。ツアーはかなりやっている模様なので。
さて「Poser」(カッコつけ野郎)というタイトルが素人お断りなピュアなハードコア感を演出しているこのアルバム。まさにポーザーである私が恥ずかしながら思った事を書いていきます。
全部で16曲収録されているこのアルバムはトータルで収録時間が12分半しかない。平均すると余裕で1分切ってくる訳で、恐ろしく速いハードコアという事になる。そういった意味では真っ先にパワーバイオレンス、ファストコアな雰囲気が思い浮かぶのだが、例えばDeathwishやSouthern Lord界隈で隆盛を見せている陰惨なクラスト要素は皆無。さらに高速と低速を行ったり来たりする極端かつブルータルなパワーバイオレンス要素もなし。というか低速パートがない。例えばドイツのYacopsaeの様なグラインドコア要素も大胆に取り入れたファストコアっぽさも(まあYacopsaeはTurbo Speed Violenceなんだが、正確には)あまり感じられない。じゃあどうなのだ、というと曲は短いものの決して高速を至上としそれを追求する事のみに身を削るバンドではない。その代わりに曲に様々なフックを加えている。それらのフックはあまたのパワーでバイオレンスなバンドがスピードとストレートな攻撃性を獲得するために敢えて捨てて来たものなので、そういった意味ではこのバンドはそれらのバンドとは明らかに一線を画す。勿論中速でまったり、という音楽性ではなく、やっぱり速い訳だし、突っ走るドラムが特有の攻撃性を演出する紛れもないハードコアなのだが。とにかくギターが伸びやかでギューンと伸びる様な弾き方、小説の終りに高音のオマケを入れてくる弾き方なんかは普通この手のジャンルではあまり聴けない。ギターソロも結構多めで、このソロが非常にキャッチー。ソロを入れてもささっと澄ませるバンドが多いのだが、このバンドはゆったりとは言わないが短い曲の中でも非常に自由気侭にソロをいれてくる。ロックンロールなそれはハードコアの激しいタテノリの中で異常に楽しい。
いかにもアウトローな吐き捨て型のボーカルがこれまた良い。のどを使ってぐええと吐き出す様な感じ。酒やけしたっぽい声だけどハードコアの世界ではビーガンの人だったりお酒飲まない人もやらない人が多いので実際はどうなのかは分からない。
どうもスラッシュコアと言われるジャンルにカテゴライズされる事が多いみたい。そういわれると多彩でミュートを使ったりリフや短いながらも妙にキャッチーなギターソロはスラッシュの要素に満ちている。
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