2014年9月7日日曜日

Greenmachine/D.A.M.N+3

日本は金沢のロックバンドの1stアルバム。
私が買ったのは2003年にDiwphalanx Recordsから発売されたタイトル通りボーナストラックを3曲追加したリイシュー版。オリジナルは1997年にMna's Ruin Rechordsからリリースされた。
Greenmachineというと日本のドゥーム/ストーナーを語る文脈だと必ず出てくるバンドなのだが、1995年に結成し1999年には解散している。私が彼らのことを知ったときは既にどのCDも廃盤になっていた。例によってiTunesでは購入することが出来るのだが、なんとなくアナログ音源に愛着のある私としては結局購入するに至らなかった。ところが昨今になってバンドが再始動(突発的に復活してライブを行うことも以前にあったようだ。)し、Borisと東京でツーマンライブもやったりと積極的に活動しているようで、どうもそれに合わせてCDが再度プレスされているんじゃないかと思う。普通にAmazonでかえた。

さてオフィシャルのTwitterにはハードコアロックバンドと紹介文がある。
なるほどドゥームと言ってもおどろおどろしいメタルではなく、明快な暴走型ロックンロールとでもいうべき音楽性である。曲の速度も極端に遅い訳ではなく、むしろ体感では結構速い。
リフは刻みまくるスラッシーなものにチョーキングを多用したためる様なクラシカルなロックの要素が取り入れられたものだが、何と言っても音が滅茶苦茶厚い。ざらざらしていてちょっと湿った様な粒の粗い音がぎっしり詰まった音の塊である。一見全然ストーナーっぽくないぞ?と思ったのだが、よくよく聞いてみるとなるほどそここはストーナーっぽい。煙たく埃っぽいとは言えないのだが、よくもまあその力業でと思わせる迫力があって面白い。
ベースはうろうろ歩き回る様な不穏な音でこちらも音割れ寸前の爆音が気持ちよい。突き放した様なスラッジパートでは迫力満点。
ドラムは破裂する様なタムが気持ちいい。弦楽器の作り出す閉鎖的な息苦しさに対して一種の清涼剤の様な開放感がある。
絞り出す様な絶叫スタイルのボーカルは確かにハードコア。日頃の鬱憤を吐き出す様な自棄糞さでもってお世辞にも上品とは言えないスタイルだが、演奏と相まってこれがすごい格好いい。
小細工無しのハードコアロックンロールの応酬なんだが、やはり放心したようなノイジーなドゥーミィさがあってそれがグサグサ刺さる。特にためてためてからのぐぅあーっと爆音が解放されるように弾かれる様が良い。この陰鬱さはしかし明快で飾りっけがなく良い。メタルと言ったら何でも過剰にしてしまってそれが良いところでもあるのだろうが、Greenmachineはもうちょっといさぎのいい感じ。必要最小限の音で勝負するイメージで、ダラダラしていないから攻撃的な音でも楽しく聞けるのがよい。それでいてタイトルトラックのイントロなんかはそこらのメタルバンドがはだしで逃げ出す様な荘厳な迫力があってヤバい。底なし。

噂に違わぬ破壊力のある音で満足。オススメ。
一つ難点を挙げるとしたらオリジナル版の方がCDのジャケットは断然良い。血を流している女の子のイメージのもの。暴力的なイメージが良いというのでないが(私はむしろ死体写真とかは苦手。)、何とも言えない空しい残酷さを表現していて音によく合っていると思う。


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