2013年6月1日土曜日

Zeke/Kicked in the Teeth

アメリカはワシントン州シアトルのパンクバンドZeke(ジーク)の3rdアルバム。
1998年にパンクの名門Epitaphからリリースされた。
ちなみにその後エクストリームメタルバンドの名門Relapseに移籍したようです。

疾走感のあるパンクバンドである。疾走感のある、といってもこれまた過剰な疾走感である。速すぎるんじゃないかね、というくらい速い。曲もたまに2〜3分台のものもあるけど、だいたい1分以内に収まる。その短い中にこれでもかというくらいに詰め込まれている訳なのだが、いわゆるパワーバイオレンスとは一線を画す音楽性になっており、大変面白い。初めて聴くと速くってあっという間に1曲が終わってしまうけど、それでも普通のパンクと違うということが分かると思う。何回か聴いてみるとわかる。このバンド、ハードロックの影響がある。一番分かりやすいのはリフで、結構凝っている。
アルバムの中には前述のような多少尺の長い曲もいくつかあって、それら聴くとおお、結構これはロックっぽいぞ!と露骨に分かると思う。そういえばボーカルのちょっとしゃがれた声も、ちょっと煙たい、誇りっぽいような音作りもロックに由来がありそうだ。たまに入る短いギターソロもまさに鳴きのギター!とても気持ちいい。要するに結構渋みのある音楽性なのに、めちゃくちゃ速く演奏しちゃう、という強引さ、というかやんちゃさによってとても面白いことになっている。

17曲で21分弱。あっという間に終わってしまう中にも奥行きもあって、馬鹿っぽさのなかにも油断のならない不敵さがある。
構えて聴く必要はない。ノリが良くて曲も速くて、あっという間に終わってしまう。これはあれだ。何も考えずに曲にあわせて体を揺らしていればいい。

普段パンクを聴かないひとでも全然聴ける、むしろ大変おすすめ。

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