2015年6月13日土曜日

Noisem/Blossoming Decay

アメリカ合衆国はメリーランド州ボルティモアのデス/スラッシュメタルバンドの2ndアルバム。
2015年にA389 Recordingsからリリースされた。
元は2008年にNeccropsyという名前で結成された5人組のバンドで、結成当時はメンバー全員10代だったとのこと。2013年に現在のバンド名に変更し、1stアルバムをA389 Recordingsからリリースしている。そちらは未聴。

刻みまくるギターリフに彩られた速めの曲という原型はスラッシュメタルなのだろうが、リリース元のレーベルがハードコアな事もあって、なかなかごった煮感のあるサウンドをならしている。
曲はだいたい1分台後半から2分台。スラッジーな鈍足パートを織り交ぜた曲も2曲ほど。
楽器陣はさすがに重低音を強く意識しているが何より勢いに特化したバンドなのでハードコアさながらに前のめりに突っ走るタイプ。そこに不協和音めいたやけっぱち感のあるギターソロをぶち込んでくる。全体的にタイトル通り退廃した荒々しさがあってヒリヒリするような音になっている。
ドラムはブラストビートもふんだんに取り入れた五月蝿いもの。一音一音を力を込めて叩いているカッチリ感があってここは結構メタル(グラインドコア)っぽいと思う。ベースはガロガロいう凶悪なものでたまに他のパートが黙って存在感を出してくるのが良い。
ギターはスラッシュメタルを彷彿とさせるざくざくしたリフと、疾走パートではぎゅるぎゅる巻き込む様な爆走リフの対比が売り。フィードバックノイズだったり、空間性のある空虚な音だったり意外に芸達者。粒子の粗いざらざらした音が特にスラッジパートでは良く映える。前述の通りとにかく生き急いでいる感のあるソロパートもうるせー感満載でハードコアいスタイルに良く合う。
ボーカルはデスメタルというよりはハードコアを彷彿とさせる吐き捨て型で、若いはずなのに堂に入っている。このボーカルがいい感じにラフい雰囲気を倍加させている。ラフといっても血管ぶち切れそうなシャウトが終始続くんだけど。
とにかく全体的に窮鼠っというか崖っぷちっぽい退路無しな雰囲気があって、そこが良いす。変に気取ったところが無い。

個人的にはなんとなくTerrorizerを思い出しました。あそこまでカッチリはしていないのだが、吐き捨てボーカルはちょっと似ている。あとPretty Little Flowerとかスラッシーなグラインドコアって意味では共通点あるかも。
ハードコア好きもメタル好きもいけるバンド。なんといっても中途半端さは皆無。正しく両者の良い所取りできている素晴らしいアルバム。オススメ。


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