2002年に自身のレーベル豪直球からリリースされた。
山嵐というバンドがいる事自体は知っていた当時私は中学生。にわかにかじった典型的な洋楽至上主義者だったので山嵐(笑)とかハズかしげも無く思っていたのだが、ある日部活からの帰ろうとすると一枚のMD(私MD世代。)が落ちていた。ラベルには「未体験ゾーン」と書いてある。恐らく先輩のだれかが落としたのだろう。友人と私は何となく自分たちのプレイヤーで聴いてみたんだが、これがかっこ良かった。自分の無知を反省しつつ何枚かのCDを借りてはMDに録音して一時期聴いてた。
あれから10年以上経った訳だけど、何となくまた聴きたくなって今度はレンタルじゃなくてCDを購入した訳です。
音楽的にはいわゆるニュー・メタルの流れに乗るバンド。極端にダウンチューニングした弦の多い楽器陣が低音を奏でるあのジャンル。当時はヘヴィロックとかもいっておりました。ジャージに身を包みちょっと悪っぽいのが比較的若い層に受けて一大ムーブメントになり雨後の筍にように様々なバンドが生まれては消えていったり。
そんなニュー・メタルへの日本なりの回答の一つが山嵐だったのかも。ニュー・メタルのなかでもサブジャンルの一つラップメタルのカテゴリ。ターンテーブルのメンバーはいないのだが、2人のMCが在籍し俺様なラップを披露していくスタイル。
抜けの良い乾いたスネアが気持ちよいドラム。そこにやはりこの手のバンドの肝となるかなり動き回るベースが乗っかる。スラップも多め。そこにギターが乗っかるのだが、ラップ主体のパートではわりとミニマルかつ空間的、飛び道具的、ファンク調の音で攻め、サビにはラップに取って代わってがつがつした低音リフで圧殺してくる。改めて聴くと中々バランスが良い。まず五月蝿いのは五月蝿いのだけど、きちんと音の数をしぼっている。比較的素直な中音域のラップの邪魔にならないように高音と低音できっちりメリハリを付けて、声が届くようにしている。
ニュー・メタル特有の悪っぽさはあるし、実際ヘヴィかつラウドではあるものの、例えばKornのような張りつめた緊張感オンリーではなく、特有のユルさがありそれがいい感じに魅力になっている感じ。だから悪さも行き過ぎない感じで自然体に思える。肝心のラップも堂に入ったものに私には聴こえる。流行に乗ったバンドと切り捨てるには勿体ない。キッチリ切磋琢磨してバンドだと思います。
思い出に浸るつもりで買ったけどとんでもない。今聴いてもやっぱりカッコいい。
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