2015年5月24日日曜日

End of All/Same Shit But Different

スウェーデンのハードコアバンドの1stアルバム。
2007年にCrime Against Humanity Recordsからリリースされた。
Wolfebrigadeというバンドのメンバーによって結成されたらしいのだが、前身のバンドもこのバンドも詳細はよくわからない。このアルバムを作った時はメンバーは4人。この後2ndアルバムを2008年に、さらに2009年に音源を出して以来しばらく音沙汰がないようだ。オフィシャルサイトも確認できず。活動休止中なのかも。3LAレコードのラスイチお知らせで視聴したら良かったので買ってみた。

ジャンルとしてはクラストになるのだと思う。Last.fmだとネオクラストのタグも付けられている。ただしメタリックなハードコアという感じでブラッケンド感はあまり感じられず。後述するがボーカル(の片方)くらいかな。かなり男臭く熱い感じ。
曲は2分台がほとんど。速さは底までではない感じ。いわゆるD-Beatのズッタズッタした速さと重厚感のあるドラムに、かなり硬質なベースが乗っかり(ベースはボーカルも兼任)、これまた硬質でギラっとした質感のあるメタリックな重いギターが乗っかる(ギター2人で片方がボーカルをとる)スタイル。今でこそConvergeのKurt Ballouだったりの活躍で隆盛を見せているメタリックな質感を持つハードコアバンドが増えて来たけど、こちらは流行以前から一戦で活動して来たいぶし銀な雰囲気を持つバンド。決して派手ではないのだけど、どっしりとしたかっこよさがある。
一つ目はボーカル。これはかなりドスが利いている男らしい声なんだけど、やっぱりメタル系譜のデス声とは明らかに一線を画す。やはりハードコアを感じさせる。ただ激情のような内省的な雰囲気は無くて、外に向けてフラストレーションをまき散らすタイプ。これは熱い。たまに出てくるもう一人の声は若干ブラックメタルを感じさせるわめき声タイプでこれが良い対比になっている。
二つ目はギターの表情豊かさ。基本黒く塗りつぶす様な重たいリフで突っ走るのだが、たまに短くもバラエティに富んだリフやソロパートが飛び出して来て、曲を豊かなもにしている。バックが黙ってボーカルがそろになる静のパートなどでは、フィードバックノイズも効果的に用いている。
三つ目は2つ目の要素もあるのだけど、曲がメロディックなこと。といってもボーカルは奉公しまくりなので、クリーンパートを導入したりはしていない。ギターが歌うようにメロディアスな旋律を奏でるのと、曲全体に強靭ながらも哀愁のあるメロディラインがあってその二つの要素が相まって独特の詩情を醸し出す事に成功している。この飾らないメロディアスさがクラストコアのアングラな荒々しさと見事に調和していて大変格好いい。
イントロに哀愁のあるアコギを入れてくる、そこから突っ走るのような展開はもはやあざといくらいだが、全体的にハードコアの飾らない誠実さがあって、そこがかっこい。起こっているもののやはり邪悪ではないんだよね。

非常にカッコいいっす。2ndアルバムも是非欲しいんだけど3LAでは売り切れているし、デジタル音源も売っていないようだ。残念。
みつけたら買っておくくらいの気持ちで御願いします。

0 件のコメント:

コメントを投稿