2015年2月1日日曜日

Xibalba/Tierra Y Libertad

アメリカはカリフォルニア州ポモナのハードコア/デスメタルバンドの3rdアルバム。
2015年にSouthern Lordからリリースされた。わたしが買ったのはボーナストラックが追加された日本盤でこちらはDaymare Recordingsから。
根がガッチリしたハードコアバンドながらもデスメタルバンド顔負けの迫力とドゥーム成分を追加した強面バンドで、1stアルバムはA389 Recordings、前作からSouthern Lordから発売。前作ではレーベルオーナーのグレッグがドローンとしたギターで参加してたりと話題になったりならなかったり。
日本盤には久保田千史さんの解説がついているのだが、それが面白くて「悪いけどXibalbaはモッシュコアだよ」と書いてある。私はハードコア全然知らないのだがモッシュコアというのはその名の通りモッシュに特化したマッチョなハードコアであり、Southern Lordのような神秘的かつアート性に富んだ音楽とは結構正反対ですよ、といっている。なるほど〜。私なんてミーハーでスノッブだから何となく知っているレーベルから出てたり、誰かがほめたりするとスゲエなって感じで感化されて何も考えずに買っちゃうポリシーなんて皆無なタイプなんだけど、たしかにレーベルカラーからしたら異色なのかもですね。(ハードコアやブラックメタルは音楽性だけでなく根底に思想との強固な繋がり(思想や考えが音楽となって出てくるイメージ)が強固なので私には本当にハードコアやブラックメタルは分からないのかもしれないなあ、と寂しく思う事あります。)

さて、そんなハイブリッドバンドの新作ですが、基本は前作を踏襲しつつも随所によりメタルっぽさがみえるかなという印象。
1曲目を聴いた時はうおおなんか速いな、と思ったのですがよくよく聴くとそこまで速くない。ただ戦車がその無限軌道でもって戦場を踏みしだいていく様などっしりとした迫力があってなんだか体感は焼く感じでしまう。いずれにしても掴みはばっちりでそこからずーーんとしたおそハードコア沼に引きずり込むという鬼畜なアルバムにあっております。
全体的に遅いハードコアだからやっぱりビートダウンってことになるのかな?
ドラムはバスドラムをかなり執拗に(速度は速くないのだけれど)踏み込んでいく、手数も多いので恐らくこのドラミングによって曲が速く聴こえるのかも。
ギターは結構特徴的な弾き方でずわーっとのばすように弾いてお尻でミュートでガッと止める様なリフでこれがとても気持ちよい。おそらくモッシュしやすいのかな?刻み込むメタリックなリフと弾き倒すハードコアのリフ(でもたまにきゅわきゅわしてPortalみたいにきこえるから面白い)の混交スタイルはハードコアとデスメタルのハイブリッドはギターが担っているのかも。短いがソロも入って結構曲にメリハリを付けて来た印象。
ボーカルは迫力のある声で、あえて批判を恐れずに言うならいわゆるデブ声ってやつ(みんなやるよね?お相撲さんみたいなあれっす。)に近いなと思っている。のどに引っかかる様なちょっと掠れていて、それでいて滅茶迫力がある。ボーカルは完璧にハードコアな感じ。
好印象なのは例えばレーベルカラーに染まってSunn o)))のようなドローン成分はあくまでもの範囲にとどめておいていること。変に気取ったり賢いぶったりはしておりません。遅い中にも徹頭徹尾グルーヴ感に支配されていて気持ちよい。このグルーヴ感が恐らくメタルのそれとは少し異なる。簡単に言うと音の数がそこまで多くなく、波のように上下に大きく揺れてくる様な演奏。これがある程度ミニマルさを持つと、そうです、暴れたくなる体のリズムが誘発されて、それがモッシュコアたる由縁ではなかろうか。
海外のモッシュピットとかみるとあまりにおっかなくて、とても生きて出れる気がしないが、ちょっと楽ししそうですよね。まずはこのCDを聴いて家でひとりモッシュの練習をするというのはいかがでしょうか。
とてもカッコいいアルバムなんでオススメっす〜。

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