2014年8月17日日曜日

Napalm Death/The Code Is Red...Long Live the Code

言わずと知れたイギリスはバーミンガムのグラインドコアバンドの12thアルバム。
2005年にCentury Media Recordsよりリリースされた。



 先日来日がアナウンス。しかもBrutal TruthとS.O.B.と共演なのでちょっとしたお祭り騒ぎですね、これは。
さて、偉そうに語っていますが私Napalm Deathに出会ったのは大学生くらいのとき、「Silence is Deafening」という曲が切っ掛け。ところが収録されているアルバムが何故か忘れたけど手に入らず代わりに「Peel Sessions」を買ったのでした。
時は流れて来日かーとネットで「Silence is Deafening」を聴いたらやっぱり格好いい。そんでもって普通にAmazonで売っているので思い出の曲が収録されているこのアルバムを買ったという次第。

音的にはハードコアの要素が強めのグラインドコア。デスメタルに傾倒していた時期もあってか、ハードコアのもつ爽快さとデスメタルのもつ重みのある凶暴性が丁度調和していて突き抜けたグラインドコアに結実している印象。
ドラムは流石のブラストビートだけど、手数の多いタムの音を軽めに設定してあるので小気味よい連打が気持ちよい。バスドラムは強烈なので対比が良い。一曲の中でもドラムに注目していると、歩き、一気に走る、小走り、大暴走みたいに緩急というか流れがあって、そのときそのときで表情が違って面白い。速いといってもブラスト一辺倒ではなく多彩なプレイ。跳ねる様なバスドラムも格好いい。
ベースは裏でグルグル唸っている。滑る様な重い低音で存在感を放ついぶし銀スタイル。ドラムと合わせてドゥンドゥンならす様は打楽器のようで格好いい。
面白いのがギターで勿論重いのだが、聴いていただくと分かるのだが所謂デスメタルの重さとはちょっと違うもうちょっと中音域に奥行きのある深みのある音で、この音質がハードコアとデスメタルの丁度良い所取りをしている一つの要因だと思う。イントロではメタリックなリフを披露するんだけど、突っ走るときはトレモロリフでもって、加速の高揚感を維持する弾き方もハイブリッド感満載。
ボーカルは特徴的でデス声の凄みをもった声質でハードコアのように吐き出す独特のスタイル。結構いるようでいないスタイルであると思う。怒りに満ちた獣じみた咆哮なんだけど、不思議と邪悪さがないのが良いところ。メタルの世界ではどうしても装飾過多で異常性をアピールしたくなるのが心情だと思うのだけど(そういうのも勿論大好き)、あくまでもちに足のついた人間の声という感じで滅茶格好いい。男らしい。
曲も多彩で例えば尺をとっても1分以下の短いものから4分台のものまで、どれも決して長くはないんだけど結構幅があって散らばっている。速い曲という結構な縛りがあるのに、かなり豊かな曲作りでもって最初から最後まで楽しんで聴ける作りなのは流石。その音楽性がどちらかというと外に広がっていく様な指向性をもっているところも大きいと思う。暗くて重くて速いんだけど聴いてて楽しい。凝り固まっていないというか。とても12枚目のアルバムとは思えない素直で自由な音楽性。
ゲストミュージシャンも元Dead KennedysのJello Biafra、HatebreedのJamey Jasta、元メンバーでCarcassのJeff Walkerと多彩かつ豪華。

流石の名盤。まだ聴いたことない人は是非どうぞ。憂鬱な気分を吹っ飛ばす音楽を探している人もどぞ。


0 件のコメント:

コメントを投稿