前々から気になってたWeekend Nachosが解散前に日本に来るというのでミーハー根性丸出して足を運んできました。初台Wallは初めて結構小さいけどその分距離感近くて良い感じ。
ハードコアのライブってのはほぼ行ったこと無いと思うんだけどとにかくメタルと違っておっかない印象があって怖かった。行ってみるとオシャレな人(帽子率高し)やガタイのいい人がいっぱいいてやはりハードコア…って思ったりしたんだけど、あれ?意外にフレンドリー?な雰囲気。3時開場でわたしはおっとり4時前に到着すると一番手のOtusが終盤に差し掛かったところ。
Otus
4人組ハードコア。若い!
ベースの音がガロガロしていてハードコアのライブに来たぞという感じ。
3曲しか聞けていないけどミドルテンポで迫ってくるタイプ。
メタリックな音質もあいまってブレイクダウンでずんずん来るのは割とモダンなイメージ。
Low Vision
ボーカルの人が背が高く、トップを残して剃りあげた頭でとにかく動きまくる。(ちなみにドラムの人も直立したりして動きが派手。)でもってハードコアならではの格闘技を思わせる動き。人を上がらせるならまずは自分からを地で行くスタイルで見ていて楽しい。
曲を始める前にどんな気持ちで作った曲かを説明してコールする。
これは門外漢の私には嬉しかった。フロアももちろん盛り上がる。
とにかくドラムの音がでかい。めちゃパワフル。ハードコアなんだけどとにかく速い。ボーカルはまくしたてるように言葉を吐き出していってちょっとだけファストコアっぽいなと思った。
Endzweck
お目当ての一つ。
もっと後ろの出番かと思っていたらすっと始まっていた。
さあこのEndzweckがなかなかすごかったです。
さきの「Tender is the Night」の感想でも書いたのだが、割とストレートかつシンプルな(ハードコア)音楽、という印象だったのだがライブで聞いてみると印象がかなり違う。
もちろん複雑や何回というのは全く無いのだが、曲が深く、そして言葉以外の面で非常に饒舌。前の2バンドがわりと感情をもろに押し出してくる攻撃型の音楽を演奏していたのでその対比もあるかもしれない。envyのような激情っぽいポストハードコアとストレートなハードコアの橋渡しする様な、そんなイメージ。勿論シンプルかつストレートなので冗漫さは一切なし。MCも非常に敬意を払いつつもさっぱりしたもの。
とにかく一口にシンプルといってもその裏には厚い層があるのだというのと、音源とライブはやはり違うのというのが個人的にはおもしろい驚き。もっと長いライブをじっくり見たいです!
Saigan Terror
アンプのトラブルが合ってギタリストの人が場をつなげてくれます。これがなんとも言えない味のあるシモネタを交えたもので会場がゆるい雰囲気に。
しかしトラブル解消して曲が始まると超強面のスラッシュハードコア。ギャップがスゲー。ボーカルの人が恐ろしすぎる。ザクザクしたリフにドスの利いたハードコアボーカルを乗せるオールドスクールなもので否が応でも体が動く。ミドルテンポで本当に体を動かすのに最適な音楽という感じで、低音だけでないギターの高音パートは良いブレイクになる。ハードコアだとボーカルの人が手をグルグルして客を煽るのがあるのだな。
Coffins
唯一ライブを見たことのあるバンド。完全にメタル。それもアングラ志向。ハードコア要素は個人的にはあまり感じられなくてそういった意味でも面白いラインナップだったともう。ベースの音が硬質なものから太くて広がりのある音に変わり、メタルだな!と実感。曲の方は重たくスローでドゥーミィなデスメタル四面楚歌かと思いきや会場の盛り上がりはもの凄かった。ファンの人だけでなくハードコアフリークも魅了していたと思う。別に場の雰囲気の媚びる訳ではなくまさにCoffinsだなという感じだった。バンドの持つ骨太さがガッチリハマったのかなと思う。ボーカルの人がたまにいれてくるデスくない声は格好いい。
Abigail
名前しか知らなかった。調べてみるとブラックメタルということ。正直なところボーカルのイーヴィルな声質以外はそこまでブラックメタル成分は感じなかったかな。音も五月蝿いんだけど結構開けた感じでアングラ臭はあまり無し。ノリを信条としたロックンロールなスラッシュメタルという感じ。同じイベントだとSaigan Terror
のスラッシュ分をもっとメタルよりにした感じ。こちらもどちらかというとオールドスクールという感じでやはりハードコアファンたちのハートをがっちりと掴んだようで盛り上がりがすごかった。MCはほぼ皆無で曲名をコールするのみ。それもイーヴィルな声でやるもんだからかっこ良かったな。最後はSodomのカバーで締め。
Fight It Out
続いては横浜のハードコアバンド。ボーカルの人はがっつり入れ墨が入っていて相当恐ろしい。音の方も相当恐ろしい。というかここからうるさかった音のレベルがさらに上がった印象でまさに「ボリュームあげろ!」を地でいく地獄絵図に。
色々なバンドが出ていたしすべてのバンドが凶暴さとも言うべき攻撃性を持っていたが、一番それらがピュアに出ていたのがこのバンドではなかろうか。スピードは低速から高速まで幅があるもの基本はかっちりいやがっちりとしたハードコア。これがハードコアだ!と言わんばかりのタフさであった。フロアもステージに向かってぎゅっと圧縮され、人が飛ぶ跳ねるで大変な騒ぎであった。マッチョというよりはやはりタフという感じ。とげを向けてくるブルータルさというよりは観客を攫ってうねらせる音の波で暴力的ながら気持ちよいことこの上無し!
Primitive Man
アメリカはコロラド州デンバーのスラッジ/ドゥームメタルバンド。その名も原始人。まずはギターボーカルの人がデカすぎる。(というか三人組でみんなデカいんだけど。)殺陣にも横にもデカいし、ドレッドヘアだし、見た目のインパクトはばっちり。
鳴らす音は凶悪の一言でほぼほぼノイズと言っても良いくらいのトーチャースラッジ。叩きのめした様なリフはあった苦の数は少ないはずなのに、デカすぎる音量のフィードバックノイズでまさに安堵の息をつく暇もない真綿で首締め系の音でほぼ物理的に観客を圧殺しにかかってくるスタイル。ボーカルは低音で「ぐおー」とうめくスタイルでこれは歌詞とかあるのだろうか、と朦朧とした頭で考えていた。今風に追加の機材ノイズを散らすことは無いので逃げ場が無い。そんな壁の様な低音の厚さに酩酊しているとたまに言をこする様なノイズが不思議な開放感を持って聴こえるから不思議だ。「アリガト!」なMC
は何故か和む、不思議。
Weekend Nachos
アメリカはイリノイ州シカゴのパワーバイオレンスバンド。
目まぐるしい高速と地獄のような低速を行ったり来たりするエクストリームなバンドでライブでその威力は何倍かましになっていた。まず音がデカいのはそれとして、全部がそこでならされている生々しさに満ちている。ノイズは飛ぶし、バランスも足し算的に音の質と量が増していっている。正確さにはかけるのだろうが、特にこういった音楽の場合は圧倒的に迫力が増す。こんなに速かったっけ?こんなに迫力あったっけ?と呆然とする、暇もない訳で。音の渦に飲まれてひたすら楽しい。激烈さという意味ではPrimitive ManとNachosがずば抜けているが、前者と違ってこちらは陰惨ではないんだよね。とにかく高揚するし、体は動くし、拳は突き上げたくなる。演奏中はそれこそ緊張感半端無いし、人はこの日一番飛んでいたんだけどとにかく一体感とともに寛容でポジティブな雰囲気があって居心地が良かった。ボーカルJohnのあったかいMCもそんなムードを作り出す一因だったんだろうと思う。ただやっぱり演奏は本当すごかった。会場全体の雰囲気を一気に変えた。こんな激しい音でこうも一体感がでるものか、と感動。
というわけでハードコアを基調としながらもメタル色も出し、終わったのは22時ごろと結構な長丁場でしたが全9つどのバンドもばっちりハマるという非常に楽しいイベントでした。
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