2014年にCarpark Recordsからリリースされた。
かのステーィブ・アルビニが2ndアルバムをプロデュースしたりで結構話題のバンドらしいのだが、私はこのアルバム収録の曲で初めて彼らの音楽を聴いた。
インディーロックが一体なんなのかというのはちょっとわからないが、私はあまり聴かないジャンルだ。ちょっと気取った音楽性で斜に構えたお洒落さんがちょっと気怠い感じでローファイな音楽をリバイバルっぽくやる様なイメージ?インディーロックファンが見たら怒り心頭に発すること間違いないが、私の正直な印象はこんなもんで、言い訳する訳ではないが嫌いというのではなくなんとなくあまり聴いてこなかったが、不思議とこのアルバムの収録曲「I'm not Part of Me」を偶然耳にしてみるとおや、これがなかなか格好よいぞ、よっしゃ買ってみるかという訳なのだ。
ジャンルとしてはまあインディーロックなのだろうが、まあちょっと自分の言葉で説明してみようと思う。(wikiをみてもインディーロックの音楽性は全然わからんかったぞ!)
まあメロディを主体としたロックであることは皆さん納得していただけるかと思う。曲のほとんどはミドルテンポで進み、過剰に暴力的だったりノイジーだったり、超長いギターソロなどで特定の楽器が出しゃばることもない。楽器陣の音の作りは一見(本当は緻密に作っているに違いないけどさ)ラフかつローファイな感じ。さすがにアンプ直だ!(ミッシェルガンエレファントだ!)という訳ではないだろうが、生々しい音をなるべく新鮮な状態で耳に届けようというそういう魂胆だろう。格好いいよ。気取っているどころか結構直球勝負じゃねえか。うん、格好いいよ。
ドラムは中音が強調された、飾り気のない音質でもって、それゆえビートが楽しい、というドラムのアイデンティティをまざまざと見せつけるタイプ。
ベースはちょっとガロガロしたこちらも生々しい音で持って、ベースの役割をまずこなすぜという職人気質タイプ。
ギターが面白くて、がちゃがちゃした乾いた音でローファイなんだろうが、とにかくキャラキャラしていてコードを弾くにしてもこんなに気持ちよいのか〜とちょっとため息をつきたくなる様な感じ。ローファイってのはバンドってこういうのかあってのがよくわかるんじゃないかと思った。
そこにボーカルが乗る訳であるが、こいつがなかなかくせ者である。個人的に気に入ったのがこのボーカルである。彼が一番気取ってない。気取ってないどころかこの余裕のない感じはどうだ。焦って突っ走るように性急ではないか。何かに追われる様なボーカルスタイルでほぼ叫ぶ様な、がなり立てる様な必死さがある。ただしあくまでも自分の流儀で持って、例えば安易にシャウトやデス声など飾り立てるような劇的なスタイルに逃げることなく(いうまでもなく私はシャウトやデス声が大好きだということをここに御断りしておく。)、いわば自分の温度とやり方でもってストレートに吐き出した訳であって、これは格好良いねえ。クラスのまじめな奴が急に切れだしたみたいな意外性と真面目さがあってそれはまさに日常にあるちょっとした意外性という感じでよい。
そんな彼らが集まって作ったこのアルバムはいわば誰かの日記を読んでいる様な、地に足の着いた音楽性で持って、日常の悲喜こもごもの延長線上にあるとでもいおうか、なんとなくわかっちゃう様な、そんな感じの親しみやすさに包まれている。
聴いてて単純に気持ちよいのだから、私としては完全やられてしまった感じ。
インディーロック(笑)なんていって馬鹿にしていて本当ごめんなさい、という感じに格好よいアルバムでした。
バンド音楽が好きだ!という方にはたとえメタラーであろうがパンクスであろうがハマるのではないでしょうか。
オススメっす。
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