2013年に突如フリーダウンロードの形式で公開された。レーベルは彼ら自身のThird Worlds。
いつの間にやら日本語のwikiが出来ていて本邦での知名度もいよいよ高い彼らだが、相変わらずアグレッシブに活動しているようです。無料で公開した意図は今回明らかにされていないようですが、なんだかんだ言っていい感じに注目されているようだ。プロモーションとしては過激だが、所謂炎上マーケティングとは違って、無料で公開することである意味身銭をきっている訳ですからなかなかどうして立派なものです。
さて今作は全11曲で35分なので結構あっという間に終わってしまう短さ。
内容的にはかなり濃密なので、変に芸術家気取りで垂れ流す訳でもなく矢継ぎ早にまくしたててさっと去るいさぎが良い良いスタイル。聴いている方もちょうどいいんじゃないでしょうか。よくパンクバンドだと言われる彼らですが、なるほどそういったアティテュードも感じられる。ちなみにデジタル音源のジャンルは「Rock&Roll」に設定されていてちょっと面白い。
内容的にはさらに彼らのオリジナリティを突き詰めたストイックなものになっています。
主張の激しいめまぐるしく変遷するビートにインダストリアルな金属音、ひどくゆがめられた電子音はもはやノイズのようになっている。そこに相変わらず激怒しているようなラップが乗る。まさに変幻自在の世界観で溶けかかった悪夢に巻き込まれたかのようなトリップ感がある。
ひどく前のめりで、ひどく攻撃的でヒップホップから距離が離れているように思えるが、結構基本はヒップホップというルールに則っているようにも思える。よくよく聴いているときちんと(これ自体がかなり変則的だが)ビートがあって、それにのせてラップが流れる。意外にもこの基本は守って、その上でどんどん独自の方向に進んでいる訳だから、過激だがストイックな格好よさがある。彼らの魅力というのはここら辺にあるのかもなと思う。
前作までの音楽性が受け入れられるならば文句なし。
興味はあるが…という人は無料で楽しめるから是非聴いてみていただきたい。
音源は彼らのオフィシャルサイトからダウンロードできる。
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