2013年同じくアメリカのSargent Houseから。私が買ったのはボーナストラックが追加された日本版でこちらはおなじみDaymare Recordingsより。
いつも思うんだけど、陽光燦々たるカリフォルニアに生まれたのに、暗い音楽やり始める人たちってなんなんだろうね。私のイメージだとカリフォルニアは天国なんだけど。鬱病の人とかいないんだろうな、と半ば本気で信じている。(そんなことはない。)
前も書いたと思うんだけど、Leave them all behindでこの人のライブ見たんだけど格好よかったなー。という訳で個人的にはとても楽しみしていたアルバムでした。
前作は全編にわたってアコースティック調だったから、バンドサウンドはちょっと久しぶり。とはいえ今作も轟音ギターがギャーンという感じではない。
ゴシックロックとのことだが、そもそもゴスってのがよくわからない。黒とレザーな感じの外見は分かるのだが、音楽となるとよくわからない。このアルバムを聴いた限りだと、身もふたもない言い方をすれば暗い雰囲気重視の音楽ということになるのだろうか。
全体的にはリバーブというかディレイというか妙にもこーっとしたエコーのかかった声が時に気怠く、時に陰鬱に、まれに楽しそうに歌い上げるというスタイルは変わらない。
ギター、ベース、ドラムは曲の雰囲気を壊さないようにあくまでも歌が中心にくるような演奏スタイル。電子音がかなり効果的に使われていて、曲にもよるが、あの暗く怪しい感じを作り出すのに一役も二役も買っていると思う。
ジャケットを見れば分かると思うんだが、今作はちょっとレトロな匂いもする。80年代だか、70年代だかは知らんのだが(今回好きなアーティストの割に分からんばっかりで申し訳ない。)、妙にぺひぺひしたシーケンサーを使い、てろてろしたひょうきんなリズムを取り入れたりして、インダストリアルというよりは、時代を感じさせる妙にすかすかした感じが曲によっては顕著にあると思う。
すかすかというとイメージが悪いけど、よく考えると最先端を行っている割には(その他大勢の)時代と無縁な感じを常に身に纏ってきた彼女にはとっても合っているのではないかな。勿論狙ってやっている訳で、例えば5曲目なんかはどうしてもレトロ感満載で曲調は陽気といってもいいはずなのに、妙に気持ち悪さがある。素直に乗れないかんじ。
なんといってもChelseaさんの声が魅力的で、別に今作だけでないんだけど不安定に勝手に歌っているようなのに、なんだかこちらに訴えかけるようなメッセージ性があるように思う。浮遊感があるし、ちょっとおかしいな〜、こわいな〜というところもあるんだけど、連続性があって全く関係のない私でも分かるような気がするのです。ひょっとしたら根がまじめなのかもしれない。「俺っていかれてるからさ!」とかって好き勝手やっている微笑ましさがない。まじめに考えすぎたら、ちょっと突き詰めて変なところに来ちゃったって感じ。スタートが日常だから完全ナチュラルボーンアウトローと違って、私のような凡人にも何となくいいたいこと分かる気がする、ってなるのかも。
まあだからこその怖さも当然ある訳なんだけど。
ちなみに歌詞を読むと超暗い。怖い。
という訳で毎日が辛いまじめなあなたにお勧めのアルバム。
苦痛は美なので黙って働けということでしょうか。
Chelsea Wolfeさんはホンマ社畜たちのアイドルやで。
CDいっぱい買ったら握手させんてもらえんやろうか。
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