2013年にProfound Lore Recordsからリリースされた3rdアルバム。
レーベル名を見て分かる人もいるだろう、またちょっと(変な方向に)変わったバンドだろうと。
5人組のバンドで、うち女性が3名(2ndのときは女の人がもっと多くて、男が一人だったような気がするから抜けたり入ったりがあったんだろう。)、ギター、ベース、ドラムにバイオリンが2人いて、ギターの人合わせて弦楽器の3人が女性でボーカルを兼任している。たしか「Subrosa」というのは「Under Rose」じゃなかったかと思う。
装丁はクリーム色をベースに黒が映える不吉なジャケット、裏にはなんだか黒魔術を連想とさせる鹿(だと思う。よく黒魔術で出てくるヤギではないことに何か意味があるのかもしれぬ。)が配置されていて、タイトルは「神々より不変」だから某か判然としないが、不穏な感じがする。
音の方はというと基本はドゥームメタルということで間違いないと思う。
一番短い曲でも7分台で一番長い曲が14分台。全6曲収録ということで、だいたいイメージはつかめるのではないかと思います。
重く粒の粗いギター(固まりというよりは輪郭がぼやけた感じ。)、重々しくうねるベース、一打一打が重いドラム。
そこにバイオリンが入ってくるのですが、メタルっぽさはだけでなく、どちらかというとトラッドな雰囲気が多分にあって、バイオリンだけでなく、ピアノや笛、アコースティックギターなどなどが入ってきて独特な雰囲気を醸し出しています。
曲の振れ幅が大きくて、例えば最後の曲なんかは全編トラッドなアコースティック調全開で重いギターもドラムもいっさい入っていない寂しげな曲。(たまらん。)かと思えば2曲目なんかは凄まじく禍々しい引きずるような叩きのめしたような牛歩ドゥームメタル。勿論2つの要素が見事に混じり合った曲もある。
私は彼らの2ndアルバムをたいそう気に入って今作も買ったのだけれど、彼らの一番の魅力は実は重さでもトラッドさでもなく、ボーカルワークになると思っています。
女性ボーカルなのだが、叫ぶようパートはあまりなく、(男のデス声っぽいバックボーカルがはいることはあり。)ほぼほぼ歌に徹しています。何ともいえない特徴のある歌声できっとすごいうまい訳ではないのだろうが、妙に気迫があってこちらをガットつかんでくるようなすごみがある。そんな声で「All of my life,I've been waiting for you」とくるのである。なるほどこれは恨み節かと妙に納得。なんというか女性の情念がこもった声とでもいうのか、強さと弱さが共存していて妙に色っぽく恐ろしくてなかなか癖になる。
なんといってもボーカル3人いることでコーラスワークが素晴らしい。分厚くてメロディアス。やっぱり歌が一番魅力だと思う。
殺伐としつつも感情のこもった世界観というのは男ボーカルでは難しいのかもしれんが、女性ボーカルの強みを活かして独特の曲世界を作ることに成功していると思う。
曲に展開があって長居曲も飽きさせず最後まで聞かせるのもよい。
というわけでこれまた素晴らしいアルバム。
かなり変わっているバンドなのは間違いないが、基本がメロディアスな歌が中心になっているので、結構ポピュラリティがあると思う。
いろんな人に聴いていただきたい名盤。
このアルバムの音源がなかったので前作の。
今作はこちらでどうぞ。
http://subrosausa.bandcamp.com/
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