2015年7月12日日曜日

High on Fire/Luminiferous

アメリカはカリフォルニア州オークランドのドゥーム/ストーナーバンドの7thアルバム。
2015年にE1 Musicからリリースされた。
High on Fireはドゥーム界隈では伝説となっているSleepのギタリストMatt Pike率いるバンド。アルバムをリリースするのはConvergeのKurt Ballou。相変わらずの八面六臂ぶり。タイトルの「Luminiferous」というのは発行性の〜という意味らしい。濃いいアートワークはいかにもメタル的美学に則っていて大変よろしい。
アルバムの2曲目が「Carcosa」でニヤリとする人も多いはず(「カルコサ」はクトゥルー関連ワード)。前作の「De Vermis Mysteriis」(妖蛆の秘密)もモロだったがやはりそちら方面からの影響があるらしく、楽曲の方も重さ一辺倒のドゥームメタルではなく、何となくオカルトな怪しさがある不思議なバンド。荒々しく男臭いロックンロールを基調としたストーナーなんだが、力強さだけでなくて過剰でない知性もキラリと見せていくスタイル。

個人的にはこのバンドはドゥーム/ストーナーのカテゴリに属するもののかなり自由奔放に音楽を演奏するイメージがあってそれが面白く、結果かっこ良いからすごいなと思います。メタルのバンドというのはどうしても攻撃性に特化していく様なところがあるんだけど、High on Fireの場合勿重たい音質に彩られた論爆走する攻撃性、圧殺する様なドゥーム感もあるもののどちらも過剰じゃない印象があって、自分の立ち位置ってこうなんよ、って感じのどっしりしたマイペースさがある。ボーカルMattのボーカリゼーションも掠れたようなしゃがれ声(超カッコいいよね)をベースにシャウトしたり、ぼそぼそつぶやいりたり、割と歌心をだしてきたりと。かなり感情豊かなギターソロも自然に馴染んでしまう楽曲というのもそんな”らしさ”にあふれた独特なものだと思う。
テンション張ったドラムは結構故こぞって時にはやたらと手数が多い。バスドラとスネアの音の対比が気持ちよい。
ベースは三人体制という事で度量が試されるポジションだと思うが、堅実且つかなり縦横に動き回る弾き方でどっしりバンドを支える屋台骨な印象。
ギターはボーカル兼務とは思えないくらい多彩な音を出していて、ドゥーム特有のズルズルしたものから、メタリックに刻んでくるリフ、弾き倒す様な爽快感のあるもの、ソロも多め。
アンサンブルで出来上がってくる楽曲ははっきりいって男臭いものなのだが、前述の通り力一辺倒ではなく、個人的にはやはり特有の繊細さがあって、それが(一番分かりやすいのは)うっすら聴こえるメロディだったりに現れて来ている。
タイトル曲とシングルカットされた4曲目はひたすら爆走するロックンロール成分全開の曲でひたすら爽快感がある。
キャラキャラしたアコースティックなギターに導かれるようにふわふわ進む7曲目は邪教的な怪しさと、どっしりとしたドゥームさ、そして男臭いメロディと彼らの魅力がぎゅっと詰まった様な楽曲で個人的には聴かせるドゥームって感じで好き。

High on Fire節という感じでひたすらカッコいい。男臭い。オススメ。
まずはシングルカットされているこの曲から聴きましょう〜。

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