2013年にMike Pattonの運営するレーベルIpecacからリリース。
日本版はDaymare Recordingsからボーナストラックを1曲追加されてリリース。
4人組のバンドでボーカルが、DeftonesのChino Moreno、楽器隊の3人は元ISISの面々ということで結構話題になった(んだと思う)。
いわば2つのビッグネームによるスーパーバンドなのだ。私はどちらのバンドも好きなのだけど、沢山聴いたのはDeftonesのほうだろうか。
私が中高生の頃は丁度ニューメタルが大流行りの時期でKorn、Limp Bizkit、Slipknotを始め日本ではヘヴィロックなんつって大変もてはやされておりました。その中でもDeftonesはちょっと毛色の違ったバンドで、始めはやたら低音を強調した音質でへんてこなラップっぽい歌唱法を取り入れたりとしてたんだけど、そんな中にも独特の、ほんとに独特のほかのバンドにはないやるせなさや切なさを盛り込んだ曲を作っていた。私は彼らの2nd収録の「Be Quiet and Drive」という曲にどっぷりはまり、これは俺のために作られた曲に違いないと確信し、大音量で繰り返し執拗に聴いては悶え、親にうるせえーボリューム下げろ糞と怒られたものだった。(ヘッドフォンを買って解決した。)なんといってもボーカリストChinoの歌唱法が独特で、ぎぃやーという叫び声からふわ〜っとした浮遊感のあるめろめろボイスまで多彩にこなし、その後もメランコリックな面を押し出した「White Pony」をリリースした彼らはヘヴィロック界のRadioheadなんて変な呼ばれ方をしていたように思う。(してたよね?)恐らく10年以上たった今でもそこら辺のアルバムは今でも非常な楽しみを持って聴き続けている。
最近の彼らはすっかりご無沙汰であったのだが、ISISとコラボときいて手を伸ばした次第。
一聴して分かるが全体的おとなしめの雰囲気で、曲の尺も5分から9分くらいと気持ち長めにとられていて浮遊感のあるものの不安定なところはあまりなく、落ち着いている。
Chinoのボーカルは相変わらずでほぼシャウトはなし。独特な透明感のある歌声で伸びやかに歌っている。ちょっとかすれている。時にはひどく幼く聴こえることもある。やはり不思議な魅力のある声である。
このバンド面白いのは、じゃあ大人しめのロックになるんじゃ?というところを非常にうまく裏切っている。確かに雰囲気はおとなしいのだが、よくよく音を聞いてみるととてもヘヴィである。さすがに元ISISともいうべきか。ギターの音は特に素晴らしく、時に音の輪郭がはっきりとしたクリアなアルペジオを奏で、時に音で粒子の荒い音が非常に濃い密度でかき鳴らされる。曲によってはかなりの轟音の片鱗が見えるのだが、それを下品な感じに聴こえさせないのがすごいところ。ある意味過剰さを信条とする伝統的なメタルっぽさは皆無か。上品な轟音というとかなり変な感じだが、ちょっとは雰囲気が伝わるのではないだろうか。アートっぽさにあふれたポストメタル然とした音なのだが、シューゲイザーのような繊細さがあってそれがボーカルに非常に合っている。
ボーナストラックを入れて7曲だが、通して聴くとあっという間で程よい長さ。
激しさを期待すると肩すかしを食らうだろうが、メンツ的に過激さを期待する人もそんなにいないだろうと思う。
ふわふわしたいよ〜、でもおとははっきりさせてよ〜というわがままな俺とお前におすすめの1枚。
個人的にはこの曲が好きだ。
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