2011年にGoodlife Recoringsというレーベルからリリースされた。
ベルギーといいつつも実際はヨーロッパの様々な国(フランス、ドイツ、オーストリア)のメンバーにより結成されたバンドらしい。覆面というのではないのだろうが、とにかく調べてもメンバーの画像なんかも出てこない。どうも複数のハードコアバンドのメンバーが関与しているようだが、オフィシャルではないし、私はハードコアはとんとわからん。
クレジットによるとツインボーカルにギター、ベース、ドラムと普通のバンドアンサンブルに加えて、ダブステップとバッキング(具体的にはなんなのかは書いてない。)担当が入って都合7人編成。後の2つの楽器に関しては?と首を傾げるところだが、イントロの前半部分とCDの後半にはダブステップっぽい曲がちらほら入っている。
大所帯でエレクトニクス担当となると私の世代なら真っ先にSlipknotが思い浮かぶと思うんだ。なかなかブルータルなバンドだが、こちらのSlam Cokeはさらにえげつない感じ。洗練されてない暴力的かつ装飾されていないブルータル性がある。
ひたすら重いビートダウンハードコアがベースで、2011年発表のアルバムということで昨今隆盛を極めるそれとは少し毛色が異なる。曲中にビートダウンが挿入されるというよりは、曲が基本的にビートダウン。つんのめるような音の固まり(音の作りはソリッドかつクリアでとても聞きやすい。)が、っが、っがががっ、という感じでリフを刻む。基本は低速なんだが、音がぶつぶつ切れているからドゥームメタルの持つ怪しさやおどろおどろしさはあまりない。ピッキングハーモニクスや曲によってはピロピロしたテクデスっぽいフレーズを多用し、結構メタルっぽい。(「Fashioncore」という曲もあるし、流行もんファックなアティチュードなのかもしらん。)
たまにブラストパートに突入し疾走。が、やっぱり基本は超低速。
そこにボーカルが乗る訳だが、片方はハードコア由来のマッチョ咆哮なのだが、片方がものすごい低音グロウルボイスでこっちは完全にメタル、それもブルデスとかスラムデス由来のドスの利き方でただ者ではない。
要するに相当ろくでもない音作りになっている。
面白いのはメタルとハードコアのバランスで、音使いやボーカルはメタルのそれの影響が大きいのだが、根本はハードコアであると思う。メタルというと様式美の世界でもあるから、それらしい雰囲気を作ることが大きなファクターの一つ。ところがこいつらはあまりそういった飾りっけはなさそうだ。ひたすら暴力的で下品だ。むき出しの拳でがつんがつんと殴るような残虐性でもって、もはや低俗ですらある。
ひたすら強さアピールなマッチョな音楽性なのだが、しかしこれがまた気持ちよかったりする。もったいつけたりしないもんだから、聞いているこちらとしても聴いてうわーーっとなればそれで十分いい気分なんだもん。
またHip-Hopまでとはいわないが、曲毎にゲストボーカル(超ドスの利いた女性もいたり)を迎えて、マイクリレーなんてやるもんだから、意外にバリエーション豊かで良いね。
という訳でひたすらロウなビートダウンハードコア。
下品なくらい暴力的な音楽を聴きたい。ただメタルだと大仰すぎるというあなたにお勧め。
オフィシャルサイトによると今年ニューアルバムが出るそうな。楽しみがまた増えたね。
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