CITY OF CATERPILLARが来日するという。2000年に結成し2003年には早々に解散。2017年に再結成し、15年ぶりに日本に来るという。エモや激情と呼ばれるジャンルでは皇族に多大な影響を与えた偉大なバンドといわれている。正直私は名前はしっていたもののまともに聞いたことがなかった。来日に合わせて日本のレーベルからディスコグラフィー(フルアルバムは1枚しかリリースしていないようだ)も発売されて盛り上がる中完全にそれに乗っかる形でライブに足を運んだ。初日のデイタイムである。私は昼間のライブってすごく好きなんだよな。なんか1日の終わりにあるのも特別感あって良いけど、真ん中にあると非日常でありつつ(ライブではなくて)ライフ感があってよくないですか。
US:WE
一番手は台湾の台北からきたというUS:WE。名前聴くのも初めて。ギターがボーカルを兼任する3人組のバンドで、照明を客席に当てるのではなくステージの奥側に向けて、それから前面には白熱灯(なんだけど中の芯がオレンジによく見えるやつ、おしゃれ)をセットするというこだわり。出音がいきなりでかくて「これこれこれが聴きたくて」という感じが一気に満たされるからやはりライブは良い。なるほど激情というジャンルに属するバンドだが、必要最低限の人数ということもあって曲は結構タイトにまとめ上げていた印象。ボーカルも基本はずっと絶叫スタイル。分厚いギターの音に空間的なエフェクトを掛けて轟音でかき鳴らすというのが格好いい。
終演後の物販席にはメンバーの方以外の人もいて皆さん非常にスタイリッシュでした。
Joy Opposites
続いてはJoy Opposites。なにげに見るのは2回め。なんといっても高音で甘い声のボーカルが歌いまくるのが特徴。コーラスも多めで歌にフォーカスしている。音は分厚いながらも2本のギターが繊細なアンサンブルを奏でていて、芳醇なアイディアが短めの曲の中にギュッと詰め込まれている。芸達者をひけらかさずあくまでも無骨な楽曲にまとめ上げて、そこにボーカルが乗る。大雑把な歌ものヘヴィ・ロックというよりはハードコア含めていろんな音楽からの影響をロックという大きなくくりの中に巻き込んで、自分たちの音楽に再構築している感じ。音楽的背景の深さと練習量の多さを感じさせる。出している音的にはジャンル的にはオルタナティヴという感じで、前見たときはnothingの来日公演だったから結構しっくり来たのだけど、(激情)ハードコアに特化した今日この日だと結構アウェイな感じだったかもしれない。でも堂々とした立ち居振る舞いで格好良かった。
heaven in her arms
今回のツアーの企画者。heaven in her arms。全員黒い衣装で登場。よく見ると靴に個性が出て面白い。
3本のギターがブラックメタルから持ってきたトレモロリフでもって轟音の渦巻きを作り出す。真っ白い雪崩のようだ。真っ青な青空を背景に斜面を猛然と突進する奔流だ。本流も圧倒的だが、飛び散る飛沫もなんとも美しい。音の壁というのはこういう音楽ではよく聴く表現だけど、HIHAに関してはその壁の構成力がすごくて、3つのギターが別のことをしてそれがピッタリハマっている。だから壁の表面には凹凸というか、独特の肌触りがあってそれが素晴らしい。ハードコアには失われがちなメロディをギターリフで補完している印象があるのだが、主役になるのがトレモロそのものだったり、それに絡みつくように乗る単音リフだったり、非常にめまぐるしい。連続性を持ちながら常に変化していくような印象。突っ走るところは爽快だし、そうでないところもよくよく聴くとドラムとベースが超うねっていたりで単に直線的な動きで突っ走っていくだけじゃないことに気がつく。
目下最新作「白暈」も素晴らしい内容だったけど、ライブで見ると印象がぜんぜん違う。美麗だな〜という音源に対して、圧倒的な轟音で楽曲を発信するライブだと迫力が段違い。ビリビリする轟音の中でそれでもやはり楽曲の美しさがじんわりと染み込んでくるのでそこがすごい。基本的にライブってそういうものなのだが、演奏力の高さ故なのか個人的には「白暈」はライブを聞いて完全に完成した感じ。これか!という感じですごいしっくり来た。
CITY OF CATERPILLAR
ベースとギターがボーカルを兼任する4人編成。ギタリスト1人はエフェクター多めなのだが、それ以外の2人は凄くシンプル。(ギタリストはベニヤ板みたいなのにエフェクターを乗っけてた。エフェクターボードを使うと思う、普通は。)アンプも別に多めってわけでもない。ドラムの人もセットはシンプル。出で立ちもT-シャツでとにかく全体的にラフかつシンプルな印象。ライブが始まってみるとこれがすごかった。まず音が非常にソリッドだ。音の数は多くないのだが(少ないってことはないと思うがこの日のバンドと比べると)、どれも異常な存在感がある。ギターに関して言えばエフェクターを通しても生の音が残っていて、ジャギジャギしておりそして鋭い。全くぶれない。めちゃくちゃ安定している。非常にミニマルにリフを執拗に繰り返していく。振り下ろされるドラムにぴったりアンサンブルがあってきている。ハマっているという言葉がぴったりだ。この間ボーカルは入らないのでこれがずれたら正直お話にならないが、全然ずれずに続いてく。反復の中でドラムのプレイが徐々にフレーズをかえていき、ギターもそれに合わせて音の数を増やしていく。そしてあっという間に轟音が支配して、ボーカルが絶叫する。これがパターンといえばパターンだが、実際にはもっと自由で静かなパートでもボーカルが叫び出したりする。非常に整合性が統制されているのに同時にカオスだ。あまりに自由で形式的ではない。まず叫びたいという感情があって、そこから曲がついてきたような感じすらする。そう言いたいほど原始的で野蛮。なるほどカオティックという言葉で称されるのがよくよく分かる。ボーカルも取るギタリストの方はとにかくよく動く。エフェクトもどんどんかけていく。叫ぶときは常に前のめりだ。マイクがずれたって構わない。ボーカルの印象は強烈だが登場頻度は決して多くない。なるほど確かにアルペジオもよく使うけど、単に綺麗なだけだったり、轟音の「動」の前のただの前フリでは決してない。もっと無骨でソリッドで、かっちりしていて、むしろこのボーカルレスのパートこそCITY OF CATERPILLARの本質であることは、きっとこの場にいた人ならわかってもらえるのではないだろうか。激情の正体の一端は緊張感ではなかろうか。張り詰めた緊張感。何かが起こりそうな”予感”といっても良い。ボーカルの入る激速パートが一つの回答だとしても、そこに辿り着く前の逡巡が激情な気がした。だってこの緊張感の持続に普通は耐えられないんだけど、このバンドに関してはむしろずっとこれで良いなと思うくらいなのだもの。
Aに影響を受けてA'が作られ、さらにA''、A'''''''と際限なく進化する中で次第にAから離れて結果的にはもう全く別のBに接近していく(このときBが既存の場合もあれば、全く新しいこともある)としたら、今あらためてAを提示するということは単に再結成、リバイバルという以上に意味がある。これが激情だったのだ。これが。この圧倒的に統制されたカオスが。ほとばしる感情が。あとに続くものがこれを分解し、そしてその要素一つ一つ、たとえばこのジャンルなら反復的な要素、劇的な静と動の同居、複雑な曲展開、そしてほんの一瞬垣間見えるメロディックなリフを拡大解釈していった。その先にいるのがHIHAでもある。(当たり前なのだがこういった流れは進化そのものなのだから私はHIHAを始め、すべての現行のバンドを批判しているわけではない。)しかし黎明期の激情とはもっと混沌として芳醇で濃厚な原始的なスープのようなものだった。まさにここから何かが始まるというエネルギーに満ちたものだったのかもしれない。激情って未だによくわからないけど、ひょっとしたらその尻尾くらいは今日見えたのかもしれない。
あらためて同じステージでCITY OF CATERPILLARとheaven in hermsを同時に見れるというのはすごいことだぞ、と思った。繰り返しになるけど単に再結成の思い出ツアーでは絶対ないので、今CITY OF CATERPILLARを見るというのはどういうことなのかということは、機会と予定が合えばぜひ見て聞いて体験されるのが良いのではと思います。
US:WEのCDとheaven in her armsの新曲+zineを購入して下北沢の街をぶらついた。贅沢な連休初日でした。
2018年4月28日土曜日
2017年7月8日土曜日
heaven in her arms/白暈
日本は東京のポストロック/ハードコアバンドの3rdアルバム。
2017年にDaymare Recordingsからリリースされた。
コンスタントに活動しているような気がすぐがそれでも同じく日本のブラックメタルバンドCoholとのスプリット「刻光」が2013年なので4年ぶりくらいの音源になる。
Convergeの曲から名前をとった5人組のバンドでボーカルがギタリストも兼任、合計3本からなる重厚かつ繊細なアンサンブルが特徴のバンド。難しい漢字を使いつつもも内省的で自己と他者、自己と世界的な世界観をポストロック的な静と動を行き来する(比較的)長めの尺の曲で表現する手法は、正しくenvyに端を発する日本の激情型ハードコア(スクリーモ、エモバイオレンスとは美的感覚という点でやはりちょっと違うジャンルだと思う)に属するバンドだと思うが、その中でもセンチメンタルさを疾走するトレモロリフというブラックメタルからの要素を大胆かつ器用に取り込んだバンドではなかろうか。とってつけたような必殺トレモロというよりは、トレモロを使って表現するポストハードコアという感じで完全に独自の手法を確立させようという意識で持って曲を作り、またライブではとてもかっちりした演奏をしているのが印象的だった。
「白暈」とは「ハクウン」と読む(ハクマイではない)。白い眩暈のことかと思ったら暈とは”太陽または月のまわりに見える輪のような光。”のことらしい。確かに英語の題名は「white halo」だ。今までは黒を基調としたアートワークが基本だったと思うが、心機一転新作では白を基調とした美しいものになっている。
2017年にDaymare Recordingsからリリースされた。
コンスタントに活動しているような気がすぐがそれでも同じく日本のブラックメタルバンドCoholとのスプリット「刻光」が2013年なので4年ぶりくらいの音源になる。
Convergeの曲から名前をとった5人組のバンドでボーカルがギタリストも兼任、合計3本からなる重厚かつ繊細なアンサンブルが特徴のバンド。難しい漢字を使いつつもも内省的で自己と他者、自己と世界的な世界観をポストロック的な静と動を行き来する(比較的)長めの尺の曲で表現する手法は、正しくenvyに端を発する日本の激情型ハードコア(スクリーモ、エモバイオレンスとは美的感覚という点でやはりちょっと違うジャンルだと思う)に属するバンドだと思うが、その中でもセンチメンタルさを疾走するトレモロリフというブラックメタルからの要素を大胆かつ器用に取り込んだバンドではなかろうか。とってつけたような必殺トレモロというよりは、トレモロを使って表現するポストハードコアという感じで完全に独自の手法を確立させようという意識で持って曲を作り、またライブではとてもかっちりした演奏をしているのが印象的だった。
「白暈」とは「ハクウン」と読む(ハクマイではない)。白い眩暈のことかと思ったら暈とは”太陽または月のまわりに見える輪のような光。”のことらしい。確かに英語の題名は「white halo」だ。今までは黒を基調としたアートワークが基本だったと思うが、心機一転新作では白を基調とした美しいものになっている。
全7曲で前述のスプリット「刻光」収録の「終焉の眩しさ」を中心に据えていることもあり、基本的には前作からの延長線上にある音。改めて1st「黒斑の侵食」を聞いてみると使っている音の類やコンセプトは同じでも結構印象が違う。今の方がずっと滑らかでスムーズな印象。ガツっとしたハードコア感は減退したが、模索の末に独自の世界観を手に入れたのだろうと思う。トレモロと言ってもプリミティブなブラックメタルからそのまま拝借してきたらガリガリした非常に攻撃的なものだろうが、それを音をクリアにし、音の輪郭を整えて角を取った非常に温かみと美しさのあるものに作り変え、初期ではカオティックという表現もしっくりくる性急に展開する曲を醍醐味をそのままに油を丹念に刺したかのように滑らかなものにした。それは音の作り方とさらに曲の作り方も影響しているのだろうと思う。それがコード進行なのかよく練られた展開なのかはわからないが、閉鎖的で厭世的で個人的な曲というよりは、外に外に開けていく(ここら辺は空間的というポストロックの要素が浮遊感とは別の視点で意識されているのではと思う)壮大な曲に変遷しつつあるように思う。別に明るくなっているわけではないし、どちらかというと悩みが感じられるくらい曲ではなるのだが。弱って死にそうに丸まるのではなく、嫌味なくさらけ出していくようなイメージ。そう言った意味では白地に荒々しい青というのは曇天とその切れ間に覗く晴天のようなアートワークは非常にあっていてカッコ良い。
喉を枯らしてのスクリームとボソボソしたポエトリーリーディング、独自の世界観を持った歌詞とテーマ、アルペジオの静かさトレモロの激しさが同居した曲などきっちり激情のツボを抑えているところも好きな人にはたまらないのでは。個人的には何か非常に真面目なバンドというイメージが勝手にあって、今作を聞いてもやはりそうだなと思ってしまった。ブラッケンドで真面目というと同じく日本のisolateを彷彿とさせるのだが、あちらは半分狂気なのだがこちらはあくまでも真面目でアーティスティック、美麗という言葉すら似合うハードコア。
2014年3月2日日曜日
heaven in her arms / COHOL split CD release tour 2/23@渋谷Eggman
昨年9月にリリースされたheaven in her armsとCOHOLのスプリットCD「刻光」。
大変すばらしい出来で私も僭越ながら拙ブログで感想を述べたりしましたが、その発売にあわせて2つのバンドが日本各所をツアーで回っております。
2014年2月現在まだツアーは続きますが、一回東京に帰ってきてのライブが23日に渋谷で開催されることになりました。
実は私は恥ずかしながら全くこのライブに気づかず、ダラリとしていたところこのブログにコメントを書き込んでくれたJakeさんからチケットを譲っていただきまして、へへへと締まりのない笑みを浮かべてせかせかと足を運んできた次第です。Jakeさんどうもありがとうございました!
Eggmanは初めていきましたが、ライブハウスで小さいながらもそれなりの大きさのバーカウンターを備えたお洒落なライブハウス。ステージ前が一段低くなっておりますが、それが半円形になっているのが一番の特徴でしょうか。ステージ近いな!というのが最初の印象。
18時開場で18時半開演。私がギリギリに到着するとちょうどトップバッターが演奏するところでした。既にお客さんは結構入っていました。
Boris
まずはBoris。見るのはLeave them All Behind以来だから結構ご無沙汰ですね。
同じ東京出身の若手2バンドを大先輩のBorisが盛り上げるような形でしょうか。
スラーっとメンバーが入場して演奏開始。音がでけー。強烈なノイズで開始。しばらく苛烈なドローンを披露した後、ロックい曲に流れ込む様は目を見張る格好よさ。
ドローンといってもザラザラして乾いた音が結構ロックなので、特にライブではとても聴きやすいと思いました。ロックバンドの進化は多様の一言につきますが、そのままノイズの方向に舵を取るにしても意外にも素直に移行した感じがあって、それが却ってオリジナリティとなっているのかな?
新しめのアルバムから比較的キャッチーなナンバーを披露した後Atsuoさんが「後の2バンドは光を刻むので(スプリットのタイトルは勿論「刻光」)、僕らは闇を」といって闇Boris全力発揮モードへ。あら意外に静かな?と思いきやズブズブと沈み込んでいくのでした。最後はドラムレスのパワードローン。Atsuoさんがダイブしてきて終了。
さすがの貫禄でござんした。スモーク炊き過ぎで会場の火災報知器がなってましたね。演奏の一部と思ったら警報だったという。
Cohol
さて次のバンドなんですが、セッティング変更中は白いカーテンが引かれてよく見えない。Twitterなんかを見てればバンドの演奏順がわかるんですが、潔くチェックしていない私は次はどちらのバンドかわからんな!と多分会場で一人わくわくしてました。Coholはこの間のPortalのライブで見ていたので、ギターの音出しでお!とわかりました。
アコースティックギターの静かな音色から嵐のような曲展開での幕開けにテンションあがりまくり。
ドラムの威圧感が半端無く、ツーバスの上にシンバルやタムがずらっと並ぶ様はまるで戦車のようで、叩きっぷりがすごい。兎に角叩く叩く。ちょっと頭を振るのを忘れて見とれてしまったほどでした。竜巻のようなギターリフは兎に角気持ちがよい。端々にちょっとしたフレーズを入れるのがライブで聴くと映える。ベースはもこっとした音とエッジがたった音を使い分けていて3ピースながら幅があって楽しい。
ItaruさんのアツいMCも良かったですね。真っ黒な曲とのギャップが面白いですが、よく考えればバンドをして曲を作るというのはきっとどんなモチベーションにしてもなかなかエネルギーを使うとても生産的かつ能動的な行動だと思います。そう考えると俺たちはやりたいことを突き詰めたら自然とこういう曲つくってライブしているんだよ!というMCは素直に格好いいものだと思います。
強いていうなら双方のボーカルの音量が弱かったような。演奏の裏に隠れてしまった印象で、もう少し強く出しても良いのでは、とも思いました。
heaven in her arms
最後はheaven in her arms。ライブを見るのは初めて。結構このバンド目当てのお客さんが多かったんじゃないかなと思いました。フロアの雰囲気がちょっと変わったような印象。
メンバーが出てくると思っていたより若い印象。Coholも同じくらいだろうけど覆面かぶってたり長髪だったりでちょっと特異な印象ありますからね。
ギター3本のアンサンブルがとても気持ちよい。とくにざらついた轟音にクリーントーンの単音のフレーズを入れてくるアレはやっぱり気持ちよい。音のバランスを作るのが相当旨いのではないでしょうか。どの音もきれいに分離して聴こえました。ベースの人はデロンデロンしてて良かったっすね。
聴いてて思ったのはやっぱり由来がハードコアのような気がしました。はっきり言えないんですが、やっぱりちょっとメタルとは違いますよね。トレモロいリフはブラックメタルに通じるところはありますが、曲全体的にみるともうちょっと硬質でクリアな印象。
個人的には声明から痣で埋まるの流れが格好よかったっす。あれは卑怯。
こちらのバンドも結構アツいMCが好感を持てました。
最後にアンコールを1曲やって終了。
というわけで3バンドとも堪能させていただきました。
とても豪華な布陣でした。重ね重ねチケットを譲ってくれたJakeさんに感謝。
ブログやってよかったなー。
大変すばらしい出来で私も僭越ながら拙ブログで感想を述べたりしましたが、その発売にあわせて2つのバンドが日本各所をツアーで回っております。
2014年2月現在まだツアーは続きますが、一回東京に帰ってきてのライブが23日に渋谷で開催されることになりました。
実は私は恥ずかしながら全くこのライブに気づかず、ダラリとしていたところこのブログにコメントを書き込んでくれたJakeさんからチケットを譲っていただきまして、へへへと締まりのない笑みを浮かべてせかせかと足を運んできた次第です。Jakeさんどうもありがとうございました!
Eggmanは初めていきましたが、ライブハウスで小さいながらもそれなりの大きさのバーカウンターを備えたお洒落なライブハウス。ステージ前が一段低くなっておりますが、それが半円形になっているのが一番の特徴でしょうか。ステージ近いな!というのが最初の印象。
18時開場で18時半開演。私がギリギリに到着するとちょうどトップバッターが演奏するところでした。既にお客さんは結構入っていました。
Boris
まずはBoris。見るのはLeave them All Behind以来だから結構ご無沙汰ですね。
同じ東京出身の若手2バンドを大先輩のBorisが盛り上げるような形でしょうか。
スラーっとメンバーが入場して演奏開始。音がでけー。強烈なノイズで開始。しばらく苛烈なドローンを披露した後、ロックい曲に流れ込む様は目を見張る格好よさ。
ドローンといってもザラザラして乾いた音が結構ロックなので、特にライブではとても聴きやすいと思いました。ロックバンドの進化は多様の一言につきますが、そのままノイズの方向に舵を取るにしても意外にも素直に移行した感じがあって、それが却ってオリジナリティとなっているのかな?
新しめのアルバムから比較的キャッチーなナンバーを披露した後Atsuoさんが「後の2バンドは光を刻むので(スプリットのタイトルは勿論「刻光」)、僕らは闇を」といって闇Boris全力発揮モードへ。あら意外に静かな?と思いきやズブズブと沈み込んでいくのでした。最後はドラムレスのパワードローン。Atsuoさんがダイブしてきて終了。
さすがの貫禄でござんした。スモーク炊き過ぎで会場の火災報知器がなってましたね。演奏の一部と思ったら警報だったという。
Cohol
さて次のバンドなんですが、セッティング変更中は白いカーテンが引かれてよく見えない。Twitterなんかを見てればバンドの演奏順がわかるんですが、潔くチェックしていない私は次はどちらのバンドかわからんな!と多分会場で一人わくわくしてました。Coholはこの間のPortalのライブで見ていたので、ギターの音出しでお!とわかりました。
アコースティックギターの静かな音色から嵐のような曲展開での幕開けにテンションあがりまくり。
ドラムの威圧感が半端無く、ツーバスの上にシンバルやタムがずらっと並ぶ様はまるで戦車のようで、叩きっぷりがすごい。兎に角叩く叩く。ちょっと頭を振るのを忘れて見とれてしまったほどでした。竜巻のようなギターリフは兎に角気持ちがよい。端々にちょっとしたフレーズを入れるのがライブで聴くと映える。ベースはもこっとした音とエッジがたった音を使い分けていて3ピースながら幅があって楽しい。
ItaruさんのアツいMCも良かったですね。真っ黒な曲とのギャップが面白いですが、よく考えればバンドをして曲を作るというのはきっとどんなモチベーションにしてもなかなかエネルギーを使うとても生産的かつ能動的な行動だと思います。そう考えると俺たちはやりたいことを突き詰めたら自然とこういう曲つくってライブしているんだよ!というMCは素直に格好いいものだと思います。
強いていうなら双方のボーカルの音量が弱かったような。演奏の裏に隠れてしまった印象で、もう少し強く出しても良いのでは、とも思いました。
heaven in her arms
最後はheaven in her arms。ライブを見るのは初めて。結構このバンド目当てのお客さんが多かったんじゃないかなと思いました。フロアの雰囲気がちょっと変わったような印象。
メンバーが出てくると思っていたより若い印象。Coholも同じくらいだろうけど覆面かぶってたり長髪だったりでちょっと特異な印象ありますからね。
ギター3本のアンサンブルがとても気持ちよい。とくにざらついた轟音にクリーントーンの単音のフレーズを入れてくるアレはやっぱり気持ちよい。音のバランスを作るのが相当旨いのではないでしょうか。どの音もきれいに分離して聴こえました。ベースの人はデロンデロンしてて良かったっすね。
聴いてて思ったのはやっぱり由来がハードコアのような気がしました。はっきり言えないんですが、やっぱりちょっとメタルとは違いますよね。トレモロいリフはブラックメタルに通じるところはありますが、曲全体的にみるともうちょっと硬質でクリアな印象。
個人的には声明から痣で埋まるの流れが格好よかったっす。あれは卑怯。
こちらのバンドも結構アツいMCが好感を持てました。
最後にアンコールを1曲やって終了。
というわけで3バンドとも堪能させていただきました。
とても豪華な布陣でした。重ね重ねチケットを譲ってくれたJakeさんに感謝。
ブログやってよかったなー。
ラベル:
Boris,
Cohol,
heaven in her arms,
ライブレポート,
日本
2013年10月6日日曜日
heaven in her arms・Cohol/刻光
日本のバンド2組によるスプリットアルバム。
2013年にDaymare Recordingsからリリース。
heaven in her armsといえば恐らくConvergeの超名盤「Jane Doe」収録の曲名からバンド名をとったと思われるハードコアバンドで、その音楽性といったらenvyの衣鉢を継ぐのは俺らだといわんばかりのストレートすぎる激情性と3本のギターから鳴るポストロック的幻想的美しさを見事に調和させて人気を博しておるようだ。
一方のCoholといったらブラックメタルに強く影響を受けたその音楽性に、あろうことが一番そぐわなさそうな日本特有の暑苦しさを歪みなく融合させちまった不敵なバンドである。
両バンドに共通しているのはたびたび激情性と評される暑苦しさである。若さ故の世界対俺、つまり世界レベルに肥大した自己意識と、一方で徹底的に内省的に自我を掘り下げた井戸の底のような世界観を中二病的な言葉で持って紡ぎだし、あふれんばかりの感情とともに文字通り叫び声と吐き出すのである。(私の個人的な見解であることをここにお断りしておく。)
また共通して、heaven〜は乾いたポストロック的な静寂を内包したインストパート、Coholは冷徹ともいえる圧倒的なトレモロリフの応酬、という激エモーショナルと対極をなすような要素を封じ込めて、見事な二項対立ともいうべき対比を曲の中で成立させているのも共通した特徴だと思う。
そうなるとなるほどと頷けるスプリットであることは明白なのだが、続けて聞くことで両者の違いがより明白に意識されたりして、面白いアルバムです。両者3曲ずつ計6曲収録。
heaven〜は3曲中2曲はインスト。
3曲が一連の流れになっているようで、ポストロック的なギターの掛け合いが美しくも力強く、予兆を感じさせるに激しさを増していく1曲目。幕間的な意味合いを持ちつつ3曲目に繋げる短い2曲目。一転して劇的激しさで持って再度開幕する3曲目。
特に3曲目の容赦のない激情っぷりったらさすがの一言で、やはりこのバンドは一つの曲中でも激しさ一気に音数を落としたパートの移動が抜群にうまいなと感じる。
仰々しい言葉もこの曲調このスクリームにはジャストフィットでグッド。縦横無尽なギターフレーズはピロピロしすぎないでメロディアスでいい。エモーショナル過剰なボーカルといい対比になっている。
Coholは3曲中1曲がインスト。
いきなり重々しく始まる1曲目。塗りつぶすような真っ黒さ。ブラックメタル然としたスクリームはより暗く、禍々しい。ギターの数は1本だが圧倒的な重量感でパワー不足はみじんも感じさせない。音の方もよりメタリックだ。ごりごりしたメタリックなリフとかき鳴らされるようなトレモロリフの対比がたまらん。
幕間的な暗さの中に美しさのあるインストを挟んで3曲目。
凄まじいブラストに複雑なリフを乗っけて高速で吹っ飛ばすようなカオス。アウトロの不穏なナレーションもグッド。やっぱりドラムがすごい。
両バンドともこんな格好よかったけ?と思ってしまった。
素晴らしいスプリットだと思います。
激オススメ。
2013年にDaymare Recordingsからリリース。
heaven in her armsといえば恐らくConvergeの超名盤「Jane Doe」収録の曲名からバンド名をとったと思われるハードコアバンドで、その音楽性といったらenvyの衣鉢を継ぐのは俺らだといわんばかりのストレートすぎる激情性と3本のギターから鳴るポストロック的幻想的美しさを見事に調和させて人気を博しておるようだ。
一方のCoholといったらブラックメタルに強く影響を受けたその音楽性に、あろうことが一番そぐわなさそうな日本特有の暑苦しさを歪みなく融合させちまった不敵なバンドである。
両バンドに共通しているのはたびたび激情性と評される暑苦しさである。若さ故の世界対俺、つまり世界レベルに肥大した自己意識と、一方で徹底的に内省的に自我を掘り下げた井戸の底のような世界観を中二病的な言葉で持って紡ぎだし、あふれんばかりの感情とともに文字通り叫び声と吐き出すのである。(私の個人的な見解であることをここにお断りしておく。)
また共通して、heaven〜は乾いたポストロック的な静寂を内包したインストパート、Coholは冷徹ともいえる圧倒的なトレモロリフの応酬、という激エモーショナルと対極をなすような要素を封じ込めて、見事な二項対立ともいうべき対比を曲の中で成立させているのも共通した特徴だと思う。
そうなるとなるほどと頷けるスプリットであることは明白なのだが、続けて聞くことで両者の違いがより明白に意識されたりして、面白いアルバムです。両者3曲ずつ計6曲収録。
heaven〜は3曲中2曲はインスト。
3曲が一連の流れになっているようで、ポストロック的なギターの掛け合いが美しくも力強く、予兆を感じさせるに激しさを増していく1曲目。幕間的な意味合いを持ちつつ3曲目に繋げる短い2曲目。一転して劇的激しさで持って再度開幕する3曲目。
特に3曲目の容赦のない激情っぷりったらさすがの一言で、やはりこのバンドは一つの曲中でも激しさ一気に音数を落としたパートの移動が抜群にうまいなと感じる。
仰々しい言葉もこの曲調このスクリームにはジャストフィットでグッド。縦横無尽なギターフレーズはピロピロしすぎないでメロディアスでいい。エモーショナル過剰なボーカルといい対比になっている。
Coholは3曲中1曲がインスト。
いきなり重々しく始まる1曲目。塗りつぶすような真っ黒さ。ブラックメタル然としたスクリームはより暗く、禍々しい。ギターの数は1本だが圧倒的な重量感でパワー不足はみじんも感じさせない。音の方もよりメタリックだ。ごりごりしたメタリックなリフとかき鳴らされるようなトレモロリフの対比がたまらん。
幕間的な暗さの中に美しさのあるインストを挟んで3曲目。
凄まじいブラストに複雑なリフを乗っけて高速で吹っ飛ばすようなカオス。アウトロの不穏なナレーションもグッド。やっぱりドラムがすごい。
両バンドともこんな格好よかったけ?と思ってしまった。
素晴らしいスプリットだと思います。
激オススメ。
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